
小木の観光スポットの1つが宿根木。
17~19世紀に北前船の寄港地、千石船産業の基地、船乗りの村として栄え、一時は佐渡の富の1/3が集まったそう。
造船主や船頭などが住み始め、人口が増えるにつれ谷を切り崩し、川を埋めて住宅を広げたといわれています。

小さなエリアの中に110棟もの家があり、町並みは国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。

宿根木を正面に見て右に小道がありますが、ここは「世捨て小路」と呼ばれています。
ここはこのエリアで最も古い石畳の小道で多くの人が行き交ったので道の中央が凹んでいます。
宿根木の一番奥にはお寺があるのですが、人々はそのお寺に行くのにこの道を通っていて、霊さえもこの道を通ったと言われています。

また「世捨て小路」という名前は宿根木に住んでいた船乗りたちが危険な航海に出る前に「この世にさようならを告げながら通った通り」ということからこの名が付いたという説もあるよう。
「世捨て小路」を少し進むと右手に蘭学、医学、天文地理学を学び、鎖国政策下で、世界に目を向け多くの地図を残した柴田収蔵の生家が見えます。

ちなみに入口の郵便受けみたいなものの上にはこんな風に石が置かれていますが、これは宿根木で見られる「石置きこば葺屋根」によく似ています。
石置きこば葺屋根は材木に釘を打ち込み、石で穴を開けて引っ掛けている宿根木の特徴的な屋根のこと。


3年ごとに石をひっくり返して使い10年も持つのだとか!
素朴な感じですが雨水が木目に沿って落ち、太陽熱で雪を溶かすという機能もありなかなか便利ですよね?
左手に曲がって進んでいくと公開民家「清九郎の家」が右手に現れます。

二艘の船を持つ廻船主(貨物船)の家で築180年の歴史ある家ですが、当時の最高レベルの建築材料で作られた家でもあります。
外観にはお金をかけずお金持ちの家とは分からないようにしてありますが、中に入ると柱にはケヤキや赤松が使われ柿渋谷や漆が塗られていてとても豪華になっています。
仏壇は部屋の1/3を占め、金箔が貼られています。
神棚などは囲炉裏からでる煤ですすけていますが、これは木材を丈夫にし害虫予防にもなるのだそうです。よく考えられていますね。
船の帆の技術を利用した窓もありますが、当時は窓に税金がかけられていたので小さめの作りになってます。
庭には6畳ほどの岩室があり「天然の冷蔵庫」として使われていたそうです。
さらに進むと1921年建てられ電信・電話がスタートした旧宿根木郵便局が。


そしてこちらは宿根木の名所ともいえる「三角家」。
あの吉永小百合さんがJRのポスターで立っていた場所で写真が撮れます。

この三角家は1846年の水害以降に羽茂から移築されたもので、三角の敷地に合わせて建てられています。集落の方が巧みに土地を活用しようとしていたのが伺えますね。
こちらは北前船で運ばれた石を使って作られた「念仏橋」。こんな大きな石が船で運ばれてきたとはビックリ!

レトロな雰囲気の宿根木公会堂は芝居小屋形式の集会施設で鼓童の公演がここで行われることも。

奥に進むと白山神社が現れ、そのすぐ奥には「称光寺」というお寺があります。

1349年に建てられた佐渡時宗最古の寺だといわれています。1923年に火事で本堂が消失したものの、お寺の門は火事を免れたそう。

宿根木の人たちは航海の安全を祈りにこのお寺に来ていたといわれています。

村の中には「茶房 やました」など甘味処もあるので、休憩しながらゆっくり歩くといいかもしれませんね。


観光時間は1時間あれば全部をじっくり見てまわれると思いますよ。
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