
【※追記】現在、目洗い地蔵で入れるお風呂が経年劣化のため風呂釜にヒビが入り、修復されるまで使用できなくなりました。お風呂が再開しましたらこちらでお知らせさせて頂きます。
「目に良い水がある」
そんな場所があったら行きたいですよね?
今や日本人の7割がメガネやコンタクトレンズをしているといわれていますが、スマホやゲームの普及と共に視力が悪くなる人がどんどん増えているそうです。
「視力を少しでも良くする方法があったら知りたい!」
そんな人は「盲目の人の目が見えるようになった」という伝説のある、佐渡の目洗い地蔵を訪れてみてはいかがでしょうか?
目洗い地蔵とは?

目洗い地蔵とは、新潟県 佐渡島の相川・達者というところにあるお地蔵さんです。
眼病に効果のあるといわれている清水が流れていて、全国各地からさまざまな人が訪れています。
また、眼病だけでなく皮膚にも良く、アトピーなどで困っている参拝者も多いです。
場所は、相川から北に海岸線沿いをはしっていくと大きな急坂が現れます。
その坂を下り、一番最後のカーブの右手に目洗い地蔵の入り口があります。


この通り、看板も立っています。

坂を上ると正面にお堂が見え、お堂の右側にはさらに上に上がっていく階段が見えます。

坂を登っている最中に右側の足元を見ると、チョロチョロと新鮮な水が流れていました!

この日は9月でしたが、トンボがあちらこちらをヒラヒラと飛んでいました。
空気も新鮮で、自然と深呼吸になります。
この空気を吸っているだけで健康になりそう☆

まずは、お堂の右側の階段を登ってみましょう。

階段を上りきると、何十体もの大小様々なお地蔵さんがあります。

色んなところから集められたお地蔵さんでしょうか。
表情も大きさもさまざまで、見ているだけでホッコリします。
足元には清水が流れていて、中央には清水が溜まっています。

右側には杓子もあり、まずは清水をお地蔵さんにかけて手を合わせました。
そして、清水をすくって飲んでみると、冷たくて美味しい!!
清水のチョロチョロという音に癒され、自分の中に溜まっていた色んなものがスーッと出て行くような感じさえします。
眼鏡をとって目と顔を洗ってみましたが、不純物が洗い流されるようで、なんともいえない爽快感があります。
目が良くなりますように。
アトピーが治りますように。
そうお願いして再び手を合わせ、お堂に降りていきます。


入り口にある大きな鐘の下の部分をよーく見るとハート型なんですね!
この場所に来るまで気づきませんでした。
こういった、ちょっとした事に気づく心の余裕がこの場所では出るのかな^^

お堂は8~10畳ほどの広さで、中にはお地蔵さんや50年近く前まで堂守り(お堂のお世話をしていた人)の写真があります。
地元の人や訪問者による手作りのアートもあり、この場所が愛されていることがよく分かります。
見ているだけでホッコりしますね^^


奥には水道もあり、ペットボトルなどを持参して水を汲みに来る人は、ここを利用します。

入り口の左手にはトイレとお風呂があります。

トイレは昔ながらの和式スタイル。
様式も匂いも、なんだか懐かしい香りがします。
お風呂は2畳ほどの広さで、シンプルな作りになっています。

このお風呂、実は先ほど見た清水を使ったお風呂なんです。

水道からでる清水をお風呂にはり、それを薪で沸かす。
贅沢ですよね!
お堂の左側にはお風呂を炊く釜があり、山から取って来ておいてある薪を燃やして炊きます。

夏は汗をさっぱりと落とせますし、冬は芯から温まるのでいつまでもポッカポカ。


お風呂の裏側には、竹林があり、サラサラとした美しい音が聞こえてきます。

清水の温かいお風呂と薪の香り、海風、笹の葉の揺れる音。
最高です。
清水でココロと体を清められ、お地蔵さんに守られている感じがるのはわたしだけでしょうか。
地元のおばあちゃんたちも毎日お風呂に入りにくるのですが、メガネや杖を忘れていくことがしばしば。
「水で目を洗ったら、目が明るくなって眼鏡を忘れてしまったよ」
「お風呂に入ったら杖なしでも歩ける様になって忘れちゃったよ」
こんな人も後も後を絶ちません。

わたしが直接聞いただけでも、こんなに色んなエピソードがあります。
● 視界がハッキリするようになった
● 眼鏡視力が上がった
● 動体視力が上がった
● アトピーが治った
● 腰痛が治った
● 肝臓癌がなくなった
こんなにありがたいのに清水を飲んだり、お風呂に入るのは「無料」なんです。
これぞお地蔵様の愛ですね。
末永くこの場所を残して頂きたいので、ちょっとばかりのお賽銭を入れさせて頂き、お地蔵さんを去りました。
また来ますね☆

目洗い地蔵の伝説と「達者」という地名の由来

このお地蔵さんのある地は、あの森鴎外の代表作の1つである小説「山椒大夫(さんしょうだゆう)」の最終場面に出てくる場所でもあります。
平安時代の末期、陸奥国の掾であった平正氏は、
上役の罪に連座して筑紫国へ左遷された。妻と、安寿・厨子王の幼い姉弟は、
正氏に会いに行く途中、越後国で人買いに騙され、
離ればなれになってしまった。安寿と厨子王は、丹後国の苛烈な
荘園領主・山椒大夫に売られ、
奴隷としてこき使われるようになる。やがて、成長したふたりは、
荘園から脱走することを考えるようになった。そしてある日、安寿は厨子王に脱走をすすめる。
厨子王は都への上洛を果たし、
関白藤原師実の知己を得て丹後に国司として赴任(実際は遥任であるが)、
厨子王の脱走とともに入水した姉の菩提をとむらうとともに、
丹後一帯での人買いを禁止。山椒大夫はやむなく、
奴隷を解放し賃金労働者として雇うようになる。その後、母が佐渡国にいると聞きつけた厨子王は、
佐渡にむかい、盲人となった母親に再会する。

安寿と厨子王の二人の子供と引き離された母親が人買いに売り飛ばされたのが佐渡でした。
母は悲しみのあまり目が見えなくなってもなお子供達の身を案じていました。
米をついばみにくるスズメを追い払いながら、子供達の名前を歌い続けていました。
そこへ母の噂を聞きつけた厨子王がやってきて再開を果たすのでした。
ここまでは一般的に語られている話ですが、佐渡島での伝説は有名なあらすじとはちょっと違います。
佐渡での伝説は、安寿と厨子王の二人は山椒大夫の手から逃れることに成功し、佐渡に辿り着きました。
二人は手分けして母の行方を尋ね、姉の安寿が先に母を見つけました。
盲目となって鳥を追い払う母の姿を見て安寿は思わず駆け寄りました!
しかし、日頃から島の子供から悪戯をされていた母は、安寿が駆け寄ってきたのも悪戯だと思い、棒で安寿を打ってしまいました。。
当たり所が悪く、安寿は死んでしまうことに。。
安寿と一緒にいた者に話を聞いて、実の娘を死なせてしまったことを知った母は、泣く泣く遺骸を浜の近くに葬りました。
そして、せめて厨子王とだけも話したいと思い、一緒にいた者に頼んで厨子王の元へ案内してもらいました。
一方、厨子王も母の居場所を知って相川の町から北へ向かいました。
二人は途中で巡り会い再会を果たしたのですが、その地が「目洗い地蔵」のある達者でした。
母と厨子王は「達者で会えて良かった」と言葉を交わし、その為、この地は「達者」と呼ばれるようになったそうです。
厨子王が近くの清水で母の目を洗うと、なんと母の目が見えるように!
その為、この清水は眼病に霊験あらたかということで、湧き水の場所に目洗い地蔵が祀られるようになりました。
まとめ
目が良くなる方法や視力を上げる方法は沢山ありますが、ここまで自然でしかも無料な方法はないのではないでしょうか?
清水で目を洗う方法は、レーシック手術や視力回復目薬、ドライアイ目薬なんかよりも、体に負担も少ないです。
目がよくなる食べ物(ブルーベリーなど)の高額商品を、毎日買い揃えて食べ続ける必要もいりません。
安全で簡単。これに越した方法はないのではないでしょうか?
安寿と厨子王の母の伝説によって有名になった「目洗い地蔵」。
是非、一度訪れてみてはいかがでしょうか(^-^)/
・住所:新潟県佐渡市達者
・TEL: 0259-74-2220(佐渡観光協会相川支部)
・営業時間:終日開放
・定休日:なし
・料金:無料
・駐車場:なし ※但し、近隣に駐車場有
・アクセス:佐渡汽船両津港から車で約70分