汗で災いを知らせる観音様がいた!北狄「生え抜き観音」で百万遍

2020年1月18日(土)に北狄「生え抜き観音」でお真言「百万遍」が行われました。

ここの観音様は聖観世音菩薩「生貫観音(生え抜き観音)」と呼ばれています。

1300年前、村人が田んぼへ行く途中でここを通りかかると、大きな岩が道をふさいでいて前を通ることができませんでした。

そこで村人は多くの村人に声をかけて岩を移動し、ここを通れるようにしました。

ところが翌日、またここを通ろうとすると同じように岩が落ちていて、また村人たちと岩をどかしました。

そして同じことが何日も続くことに。。

これを聞いたある人が「これは何か因縁があるに違いない」といって、この観音様を納めましたが、実はこの人こそが行基菩薩ではないかと言われています。

それ以来、信仰の対象となっていて多くの人がご利益を得にお参りに来るようになりました。

お堂の前には清水が湧き出ていて、夏は冷たく冬は暖かく、絶えたことがないそうです。

毎月、18日がご縁日でお真言が行われます。

そして今日は年に一度の「百万遍」が行われました。

お堂に大勢の村人が集まり、観音様を取り囲むように円を描いて座り、真言のお題目を唱えながら栗の大きさくらいある長い数珠を手渡しで渡していきます。

わたしも実際に体験したのですが、木製の数珠は重く年季が感じられるものですが、キラキラとツヤがあって美しく、長い間丁寧に扱われてきたのが良く分ります。

右隣の人から渡させる数珠を1つ1つ丁寧に左に座っている方へと渡していくのですが、その様子を見ていると地域の方々の連多感や観音様に対する深い思いを感じることができます。

お堂の隣にある台所では胎蔵寺の奥様はじめ、村の女性たちが振る舞いのお料理を用意していました。

寒中の寒い中、お蕎麦の出汁を煮ている鍋からは煙がほかほかと出ていて。。

手作りのぼた餅(あん餅)やアラメの煮物、たくわんなどがお題目が終わってから出されるのを待ち棚に静かに並んでいました。

隣にある榎には燈明(神仏に供える灯火)があり、村に何かあると大木に燈明を輝かせて事前に知らせてくれます。

また、観音様は身体に汗をかいて知らせてくれます。

わたしも幼いころから、このお観音様にまつわる不思議な話をいくつも聞きました。

この地域に大火事が起こる前に、観音様の汗が止まらなかったという話も聞いたことがあります。

また、家の母も実際におでこの所から汗をかいていたのを見たことがあるそうです。

この地域の人は観音様が汗をかいた時にヤツデ、ネギ、南蛮を1つに束ねて玄関先に飾り、災いが治まるようにお祈りするそうです。

このエリアには尖閣湾 揚島遊園もあり歩いて移動できるので、尖閣湾 揚島遊園に来られた際にぜひ立ち寄ってみてください。

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参照:胎蔵寺ウェブサイト

生貫観音(生え抜き観音)
・住所:〒952-2133 佐渡市相川町北狄
・最寄りのバス停:外海府線「北狄」より徒歩2分